【米国】株価急落、消費者情報誌が資産構成の見直しを推奨

株価が大きく変動し相場の不安定さが指摘される中、米消費者情報誌コンシューマー・リポートは11月20日、消費者に対し、ポートフォリオ(金融資産の構成)の見直しを勧めた。質の良い債券への投資割合を増やすようアドバイスしている。

米国では401K(確定拠出型年金)の普及などを背景に株式投資が一般的。しかし、直近の株価急落により今年の株価上昇分を吐き出した形となり、消費者を中心とした一般投資家に動揺が広がっている。同誌は「今後、株価が上がるにしろ下がるにしろ、一般投資家はポートフォリオを見直す機会とすべきだ」とし、専門家のアドバイスを紹介した。

アドバイザー・インベストメンツのジェフリー・デマソ氏は10月初旬から始まった株価の下落について「アップルやフェイスブックの成長鈍化懸念やターゲットなどの小売業の業績不振が背景にある。加えて、トランプ大統領の貿易政策、上昇相場の終焉懸念などが不安定さをもたらしている」と分析。インベステック・リサーチのジェームズ・スタック氏は「相場も経済も成熟しきった。守りに徹するべきだ」と強調した。

同誌は2008~09年に株価が半分にまで急落したことを示し、株式70%、債券30%のポートフォリオの場合、資産の三分の一が消えたと指摘。今後の強気相場に懐疑的ならば株式への投資割合を減らし、質の高い債券の割合を増やすよう勧めた。特に高齢者は見直しが重要だといい、株式から債券へと資金を移すことでこれまでの利益の固定化が図れるとアドバイスした。また、多くの投資家が米国株式に集中投資していると指摘し、投資先の分散化を進めるため外国株式を20~30%程度組み込むことも検討してほしいとしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る