アルミ缶リサイクル協会、草の根回収を表彰 今年は63団体
- 2018/11/13
- くらし
アルミ缶リサイクル協会(富永泰夫理事長)は11月13日、東京・千代田区の如水会館で、2018年度アルミ缶回収一般協力者合同表彰式を開催した。今回受賞した63団体のうち関東地区の21団体が参加し、富永理事長から感謝状と記念品が授与された。アルミ缶リサイクル率は3年連続で目標の「90%以上」を達成。高度な循環型社会の実現に向け、協会は今後も地域の草の根回収活動を支援していく方針だ。
2017年のアルミ缶リサイクル率は前年比0.1ポイント増の92.5%で、15年以降、3年連続で目標の「安定した90%以上のリサイクル率の維持」を達成した。この高いリサイクル率を支えているのが地域の自治会、子ども会、福祉支援施設、ボランティア団体などの草の根団体だ。アルミ缶リサイクル協会は1976年から表彰制度を立ち上げ、集団回収の支援を行ってきた。
表彰式の冒頭で挨拶した経済産業省金属課の黒田紀幸課長は「アルミニウムは加工性が高く、軽く、強度があり、錆びないという優れた特性を持つ金属で、産業を支える基幹的な素材。特に自動車の電動化の動きが加速する中、車体の軽量化対策としてアルミの重要性が増している」と強調。さらに「アルミの新地金は100%海外からの輸入に頼っていて、経済成長と資源安定供給の確保の観点から国内でのリサイクルが大変重要になっている」と述べ、地域の集団回収の継続とさらなる普及を呼びかけた。
また、アルミ缶リサイクル協会の富永泰夫理事長は「2017年に再生利用されたアルミ缶重量は約31万トンで、半数に近い量が町内会やボランティアなどの自主的集団回収によるもの。日頃のご尽力に感謝する方法の一つとして毎年表彰式を開催しており、引き続きアルミ缶回収に協力いただきたい」と挨拶。一方で、使用済みアルミ缶の海外流出問題について触れ、「17年はおよそ5万8千トンが輸出され、今年はそれを上回る量で増加している。循環型社会の形成という意味でも非常に残念であり、すべてが国内で再利用される術はないか思案している」と懸念を示した。
アルミ缶の集団回収は1970年代に全国に広がり、それ以降、息の長い取り組みを続ける団体も多い。受賞団体の一つ、社会福祉法人南足柄さつき会「ワークピアさつき」(神奈川県南足柄市)は回収活動が今年で40年目を迎える団体。障害があっても社会貢献ができる活動としてアルミ缶回収に取り組んでいる。アルミ缶リサイクル協会は集団回収を支援するため、表彰制度のほか学習支援、拠点紹介なども展開しており、さらなるリサイクルの輪を広げていく考えだ。