【英国】アズダが価格保証廃止へ スーパーの低価格路線終焉
- 2018/9/11
- 海外
人気の低価格スーパーAsda(アズダ)が価格保証の廃止を決めた問題で、英国の消費者団体Which?は9月6日、消費者にとって打撃となるとの見解を示した。英国では日用品の値上げが相次いでいる状況で、同団体は「スーパーの低価格路線が終焉を迎えた」と説明している。
英4大スーパーのうち3位のアズダは米ウォルマート傘下の人気スーパー。業界2位のセインズベリーとの合併手続きが進展中で、実現すれば首位のテスコを抜いて最大手へと躍進する。こうした中、アズダは2010年から始めた価格保証(ライバル店よりも10%安く販売する制度)を、10月3日をもって廃止する方針を打ち出した。制度の利用者が1%にも満たなかったことを理由にあげた。最大のライバルのテスコは今年6月に同種のサービスを廃止、セインズベリ―は2016年に打ち切っていて、Which?は「アズダは低価格を約束した最初のスーパーであり、最後まで続けたスーパーだった」と評した。
現在、英国では、熱波の影響や深刻なバター不足、人件費の上昇などにより食料品や日用品が高騰中。Which?は「価格保証の廃止は消費者にとって打撃。もはやスーパーが低価格を維持することは困難な状況だ」とし、低価格路線の終焉を強調した。アズダを除く大手スーパーはすでに値上げに動いていて、テスコは一部店舗でバナナの値段を大幅に引き上げた。その結果、消費者の不満が爆発し、ソーシャルメディアで炎上する騒ぎになったという。Which?は消費者に価格比較サイトの活用やセール日の確認を呼びかけている。