消費者サミット予定、予算22%増145億円要求 消費者庁
- 2018/9/5
- くらし
消費者庁は設置10周年に入る来年度の予算概算として、145億3千万円を要求した。成年年齢引下げを見据えた未成年への消費者教育推進、高齢者などの見守りネットワーク構築、内部通報制度の認証制度導入に関する事業者ガバナンス強化などにも取り組む。
同庁は来年度予算の重点柱として「誰一人取り残さない持続可能な社会の実現」を提示、その項目として、(1)政策課題に対応した消費者行政の充実・強化(2)SDGs(国連持続可能な開発目標)の推進(3)生命・身体の安全・安心の確保(4)消費者庁の体制基盤の整備――の4分野をあげた。
消費者行政の体制強化としては、「地方消費者行政強化交付金」40億円、「シェアリングエコノミーに関する実証実験」に1600万円、「加工食品原料原産地表示制度の普及・啓発」8500万円などを予定している。国民生活センター運営費交付金は34億円、その中には消費者教育コーディネーター育成への地方公共団体への講師派遣事業も含まれている。
法執行機能の強化では、公益通報者保護制度の実効性向上に1億700万円、消費者団体訴訟制度の機能強化費として3800万円を予定。悪質事案に関する消費者被害実態調査も実施する。
SDGsの推進では「消費者サミット」を開催し、国際的な消費者被害の未然・拡大防止を図っていく。消費者サミットは日本がG20の議長国を務める2019年内にG20等の関係機関が出席する機会をとらえて日本で開催する。国民生活センター「越境消費者センター」(CCJ)のトラブル解決事業も推進していく。食品ロス削減、エシカル消費推進、消費者志向経営推進などへの取組も積極化させる。
生命・身体の安全・安心の確保では、「当事者意識の醸成」策を新規予算で実施する。消費者事故の再発防止策を社会的に浸透させる方策を検討する。
機構や定員については、消費者教育推進課の新設を要求。定員として、消費者教育推進、公益通報者保護制度、原料原産地表示の監視、食品ロス削減、国際連携などの担当者合計29人の定員を要求している。
(詳細はニッポン消費者新聞10月1日号で)