お試しのつもりで健康食品などの購入を申し込んだら、実際は定期購入だったという「お試しトラブル」に関する相談がさらに増加していることが、各地消費生活センターの2017年度相談概要で明らかになった。このトラブルは16年度に急増し、各機関が注意喚起を行っていたが、17年度も増加が止まらなかった。健康食品だけでなく化粧品でもトラブルが拡大している兆候が見受けられ、今後の動向に注意が必要だ。
東京都、埼玉県、愛知県、兵庫県の消費生活相談概要をニッポン消費者新聞が集計した。その結果、1都3県のお試しトラブルに関する17年度相談件数は、前年度比28.6%増の6080件。相談件数が2倍以上急増した16年度と比べると伸びは鈍化したものの、依然として増加が止まっていない状況にあった。
商品別にみると健康食品、化粧品、飲料の順に相談件数が多かったが、17年度は化粧品のトラブル拡大が目立った。東京都では健康食品の相談件数が前年度比13.9%増だったのに対し、化粧品は69.6%増。同じく埼玉県は健康食品18%増に対し化粧品62.8%増、兵庫県は健康食品31.7%増に対し化粧品58.8%増となっていた。
お試しトラブルを巡っては、昨年12月1日に改正特定商取引法施行規則が施行され、「定期購入が条件である旨」「支払い総額」「契約期間」などの表示が義務付けられた。同時に通販サイトにおけるガイドラインが公表され、契約条件の表示方法も明確化されている。こうした規制がトラブル減少につながるのか、今度の動向が注目される。