食品政策を監視する非営利団体「公益科学センター(CSPI)」は地元草の根団体などと連携して7月19日、スーパー大手のマイヤーを相手に、レジ周りへの健康な食品の陳列を求めるキャンペーンを開始した。CSPIの調査によると、スーパーのレジ周りの棚にはキャンディやチップス、炭酸飲料など様々な子ども向けのジャンクフードが陳列されており、健康な食品はわずか3%しかなかったという。
マイヤーはミシガン州を中心に230店舗を展開する全米で7番目に大きい食品スーパー。「安全なショッピングと健康的な商品の提供」をモットーにスーパーを運営しているが、レジ周りは問題だらけだった。子どもの目を引くジャンクフードを並べていたほか、他のスーパーと異なり、炭酸飲料を購入するための32オンス(950ミリリットル)サイズの巨大プラスチック製カップを販売するなどしていた。
レジ周りに子どもの目を引くジャンクフードを置くことは、スーパーが販売促進のために行う強力なマーケティング手法。店を出る最後の最後に子どもの衝動買いを誘う手法として、これまで多くのスーパーで採用されてきた。CSPIによると、保護者の4人に3人がこうしたマーケティング手法について嫌悪感を示していた。
CSPIは「消費者はお菓子売り場とソフトドリンク売り場を避けることはできるが、レジだけは避けられない。スーパーは家族がレジで健全に清算できるよう、健康な食品に置き換えるべきだ」と訴えている。スーパー業界全体では徐々に健全化の方向に向かっており、Aldiは2016年末までに、1500店舗のレジ周りの陳列をドライフルーツやナッツなどの健康食材に変更。ドラッグストア大手のCVSはレジ周りだけでなく店舗全体でジャンクフード売り場の面積を削減すると発表していた。