オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は7月23日、投資詐欺が急増しているとして注意を呼びかけた。ACCCの詐欺相談窓口「Scamwatch」には月平均430万ドル(約3億5260万円)の被害が届けられており、この1年は人気が高まる仮想通貨に関する詐欺が急増しているという。
上半期(1~6月)にScamwatchに寄せられた相談は1796件。被害総額は2600万ドル(約21億円)に達し、昨年の被害総額の84%に達した。ACCCのデリア・リッカード副委員長は「毎週数十万ドルの被害が報告され、中には何百万ドルもの損失を抱える悲惨な事例が寄せられている状況だ」と懸念を表明した。被害者は45~65歳が半数以上を占め、非常に洗練された手口によって騙されたと指摘した。
詐欺の多くは依然として株や不動産、先物取引など相場に関連したもの。しかし、近年は仮想通貨とバイナリーオプションに絡んだ詐欺が横行し、特に仮想通貨取引詐欺は直近の1年で大幅に増加し、投資詐欺の二番目に多い手口になった。
投資詐欺の多くは被害者を投資させるまでにかなりの時間と労力をかけるといい、詐欺師は専門用語を駆使し、専門ウェブサイトや内部文書などを示してくる。低リスクや短期間での高いリターンを主張するのも特徴だという。仮想通貨では「価格変動についての内部情報を持っている」などと説明して接触してくる。リッカード副委員長は「仮想通貨の人気の高まりを詐欺師は見逃しはしない。詐欺師の話を鵜呑みにして投資すれば、瞬時にお金を盗み取られるだろう」と注意を呼びかけた。