埼玉県消費生活支援センターがまとめた2017年度消費生活年報によると、「仮想通貨」に関する相談が前年比4倍に急増していることがわかった。取引所や投資話、マルチ商法に絡んだ事例が寄せられた。
同センターによると、16年度に49件だった仮想通貨の相談が、17年度は199件と4倍に急増。40歳代と50歳代からの相談が全体の半分を占めたほか、契約金額別では「10万~50万円未満」が62件と最も多かったものの500万円以上の事例も7件あった。平均契約金額は約126万円と高額。
「取引所に預けている仮想通貨の出金手続きが停止された」「口座を開設し入金したが、いつまで経っても仮想通貨に反映されない」など取引所に関する相談や、「仮想通貨で儲けるプロジェクトに参加し投資したが思うように儲からない」といった投資話、「仮想通貨を購入し、人を紹介したら仮想通貨を受け取れる」というマルチ・マルチまがいの事例が寄せられた。
仮想通貨トラブルを巡っては、金融庁の「金融サービス利用者相談室」にも相談が寄せられており、5月に発表された1-3月期の相談件数は3559件と前期(10-12月)と比べて3倍に急増。国民生活センターが4月にまとめた全国の相談件数でも、17年度は前年比3倍の2666件と増加していた。消費者庁・金融庁・警察庁は連名で昨年9月、仮想通貨に便乗した詐欺勧誘や仮想通貨交換業者の不十分な対応について注意を呼びかけていた。