セルライト除去クリームの効果はごくわずかで一時的、しかもボディーローションと同程度だった――。こうした残念なテスト結果を香港の消費者団体「香港消費者委員会」などが発表した。同団体は「使用者には大きな失望をもたらすことになるが、健康的な食生活と定期的な運動の効果は長続きし、身体に変化をもたらす可能性がある」として、生活改善を勧めている。
テストは非営利の国際的試験機関ICRT(International Consumer Research and Testing)との共同実施。欧州市場で販売されている国際ブランド14製品を対象とし、18歳~50歳までの450人がこれまで通りの生活をしながら4週間、クリームを大腿部(太もも)に塗布した。参加者の内訳は製品ごとに各30人(計420人)、残る30人は一般的なボディークリームを塗ってもらい比較対象群とした。
4週間後の測定では、太もも周りが平均1.2~2.9ミリとわずかに減少したものの、ボディーローションのみを塗布した参加者も平均1.3ミリの減少を達成。二つのグループの差はほとんどなく、専門家は「太もも周りの減少は塗布の際のマッサージ作用がもたらした効果で、一時的なものだ」と分析した。
また、セルライト除去効果を調べたところ、皮膚表面形態に顕著な変化や改善は認められず、効果が最小限にとどまることが判明した。わずかな改善を得られた参加者は除去クリームで40~63.3%、ボディーローションで平均26.7%。専門家は「除去クリームの有効性は低く、失望する結果。改善度は非常に小さく、セルライトを完全に除去するものではない」と指摘した。
皮膚科領域の臨床研究の多くは、セルライト除去製品(カフェインやビタミンA誘導体を含むもの)を局部に使用してもオレンジピール(セルライトのこと)の改善にはつながらなず、ボディーローションとの違いもほとんどないと結論付けている。
香港消費者委員会は「今回のテストは多くの研究成果と同様の結果になった。セルライト除去クリームを使用する利点はほんのわずかしかなく、その効果は短命。個人差も大きく、人の目では容易に識別できないものであり、購入する価値があるのか慎重に検討してほしい」と呼びかけた。ただし、テストした14製品は香港ではほとんど入手できないものだとしている。