食品由来の食中毒により、毎年約4800万人の患者が発生している米国。FDA(米食品医薬品局)は「多くの消費者は肉や魚の取り扱いには慎重だが、野菜や果物でも食中毒の被害拡大の原因になりうる」として、家庭における野菜・果物の取り扱い方法をアドバイスした。
食品媒介疾患を専門とするFDAのグレンダ・ルイス氏が勧める取り扱い方法は以下の7つ。
(1)まずは手をぬるま湯と石けんで20秒間洗う
(2)食材の傷んだ部分は取り除く
(3)汚れた包丁で他の野菜を切らない
(4)野菜は流水で軽くこすりながら洗う(石けんや洗剤は必要ない)
(5)メロンやキュウリなどの硬い野菜は清潔な専用ブラシでこする
(6)細菌をさらに減らすため、洗った後は布やペーパータオルで水気をふき取り、乾かす
(7)レタスやキャベツは外側の葉を取り除く
また、購入時にはなるべく傷がないものを選び、店舗で適切な温度管理が行われているかを確認するようアドバイスしている。
米国では5月、ロメインレタスによる食中毒被害が広がり、死亡例も発生。過去にはホウレンソウ、トマト、レタスといった野菜で、大規模な食中毒事件が起きていた。ルイス氏は「野菜や果物は生産から販売までに多くの経路をたどるため、どこかの段階で細菌に汚染されるおそれがある」と指摘。購入後も、不適切な調理や保管が汚染リスクを増大させるとして、適切な取り扱いを呼びかけている。