充電器・バッテリーの事故相談増加 家電製品PLセンター

家電製品事故をめぐる紛争解決機関「家電製品PLセンター」(梅本佳伸センター長)は7月10日、2017年度の相談受付状況をまとめた。一般相談などを含めた相談等受付件数は前年比5%減の1874件と減少したものの、事故相談は1%増の303件と3年連続の増加。中でもけがや火災に至る「拡大損害事故」の相談が前年比19%増の186件と増えた。充電器やバッテリーの発熱・発火に絡んだ事故相談が件数を押し上げたとみている。

拡大損害事故が発生した製品は洗濯機(20件)、充電器(14件)、パソコン(13件)、携帯電話(11件)、ルームエアコン(10件)、電気ストーブ(10件)など。

洗濯機は前年比23%減と減少したものの昨年に引き続き1位となった。「水漏れがして水浸しになった」「寝袋を洗ったら洗濯機が爆発した」など事例が寄せられた。次いで、充電器(75%増)、パソコン(3.2倍)、携帯電話(3.6倍)といったデジタル家電の増加が目立ち、「パソコンのACアダプターから火花が出て、コンセントとインターネットアダプターが故障した」「ズボンに入れていたスマホから発火してやけどをした」などの相談があった。梅本センター長は「市販のモバイル充電器やパソコン・スマホの付属ACアダプター、内蔵バッテリーが発熱・発火する事例が多く寄せられた」とし、これが拡大損害事故の相談件数を押し上げたと説明した。

1995年の開設以降、同センターが受け付けた累計相談件数は3万9567件。ここ数年は年間2000件弱と横ばいで推移しているが、事故相談、拡大事故相談はともに3年連続の増加。また、2011年度以降、8%程度で推移してきた拡大損害事故(斡旋案件含む)の構成比が、17年度は10%に上昇した。梅本センター長は「充電器、パソコン、携帯電話に関する受付件数の増加が一因にあり、今後の推移を注視していきたい」としている。

家電製品PLセンターは、重大な事故相談が寄せられた際、その都度、関係工業会に情報提供を実施。ホームページでは月次の相談受付状況を公表し、その中で拡大損害事故事例を紹介をするなど、事故再発防止の取り組みを進めている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る