高齢者社会の進展、人工知能(AI)の導入、流通事業の電子化、食品衛生法の改正による HACCPの導入など、製造物責任(PL)制度を取り巻く環境変化が著しい中、「PL研究学会」(大羽宏一会長)は7月1日、第4回大会を開き、「安全性確保」について海外PL動向を踏まえた研究成果を発表した。大羽会長は「研究成果に基づく適切な情報発信を積極化させ安全性確保へ向けた提案にも取り組む」と表明した。
PL研究学会は、2015年に一般社団法人化した製造物責任(PL)法制度に関する学会。大学研究者、技術者、実務家が集う。製品の安全を基本的な研究領域としているものの、リコール対応、消費者への情報提供対応など安全社会の構築へ向けた提案も予定しており、取組範囲は幅広い。
同「学会」は年1回の大会とそれに合わせた公開報告会を開催。今年は7月1日、都内で第4回大会および公開報告会を開いた。
公開報告会では大羽宏一会長が、「PL制度を取り巻く環境変化は著しい。国内外の動向の研究を深め、適切な情報発信を推進していきたい」とあいさつ。環境変化の指標として、「国民の高齢化による消費行動の変化、流通事業の電子化と越境ECの問題発生、人工知能(AI)の進展に伴う自動運転車の開発、食品衛生法改正によるHACCPの義務化」などを挙げた。
公開報告会では、「世界のPL法の運用状況」「グローバル市場での製品コンプライアンスリスク・マネジメント」「製品安全に関する日本の動向及びISO9001,2015改定の影響」について、それぞれ、小森悠吾弁護士、池田純一弁護士、渡辺吉明東北工業大學客員研究員が報告した。海外のPL関連制度と日本の制度上の違いや対応実態、制度運用の変遷などが報告された。
(詳細は本紙「ニッポン消費者新聞」8月1日号にて掲載予定)