消費者問題解決への手法としてIoTやAI(人工知能)を活用する検討が取り組まれている。消費者委員会は6月21日、そのための「論点」について専門家を招いて現状と課題を聴いた。消費者関連のビッグデータの収集、その活用にあたって、利便性とプライバシー保護の課題をどうクリアーするかなどが提起された。
消費者問題に関する情報は、契約被害をはじめ製品事故事例など大量に集積されている。これらビッグデータを活用し、被害の未然・拡大防止に役立てる手法の開発については、昨年から消費者委員会が必要性を提起してきた。
その一環として6月21日の同委員会本会議では、「IoT、ビッグデータ、AIの活用における消費者関連の論点について」をテーマに専門家を招いて現状と課題などを検討した。会議では、AIやIoT時代の到来で、従来の商取引や製品の安全性への考え方に変化が生じる可能性があること、AIやIoT搭載機器に囲まれた生活空間では、利便性とプライバシー保護の課題が常に提起されることなどが示された。
インターネット社会の進展で、契約被害情報や事故情報などあらゆる消費者関連情報がビッグデータとして収集され、被害防止への活用が期待される一方、消費者の生活空間にイノベーション機器が浸透し始め、その情報管理と利用が新たな課題を生み出していくことなどが提起された。