カレーの作り置き注意、ウエルシュ菌繁殖 消費者庁呼びかけ
- 2018/6/21
- 食品
6月20日、消費者庁・岡村和美長官は定例記者会見で、5月のリステリア菌および寄生虫トキソプラズマに対する注意喚起に続き、ウエルシュ菌による食中毒発生に対する注意を喚起した。カレーや煮物の作り置きはウエルシュ菌繁殖につながるとし、「3点予防法の重視」を呼びかけた。
この注意喚起は消費者庁が定期的に実施している。5月はリステリア菌など妊娠期に母体に影響を与える菌や寄生虫などを対象に、加熱殺菌されていない食品への注意を促した。
消費者庁・岡村和美長官は6月20日の定例記者会見で、梅雨を迎えたこの季節には細菌が繁殖しやすく煮込み料理による食中毒発生の可能性が高まるとし、料理がゆっくりと冷める段階で繁殖する代表的な細菌ウエルシュ菌への食中毒防止が重要と呼びかけた。
予防方法として、カレーや煮物などは食べきれる量を作り早く食べる、保存する場合は小分けにしてできる限り早く冷却し、冷蔵または冷凍する、再加熱する場合は、よくかき混ぜながら、全体を十分に加熱する、などの3点を示した。一度に多く作る煮物類は常温で作り置きしがちだが、そうしないよう呼びかけた。
ウエルシュ菌は川・土など自然界に広く存在。100℃で加熱しても芽胞を形成し完全に死滅させるのは困難とされる。食品がゆっくり冷める過程で少量のウエルシュ菌が酸素の少ない鍋の底などで急速に増殖する。摂食した場合は6時間から18時間後に下痢、腹痛の症状が出る。