水回り修理の高額料金トラブル増加 広告で「980円~」
- 2018/6/8
- くらし
トイレや浴室などの「修理サービス」によるトラブルが2年連続で増加していることが6月7日、兵庫県立消費生活総合センターのまとめでわかった。「修理業者を呼んだところ、次々と作業を勧められ、最終的に高額な料金を請求された」という事例が目立ち、年齢、性別を問わず広く苦情が寄せられていた。高齢になるほど契約金額が高額となっており、同センター相談調査課は「焦って業者を呼ぶのではなく、複数の業者から見積もりを取って検討してほしい」と呼びかけている。
県がまとめた「2017年度兵庫県内の消費生活相談状況」によると、「修理サービス」に関する苦情は、15年度の658件に対し、16年度が786件、17年度が899件と2年連続の増加。トイレや浴室などの水回りの修理に関する事例が全体の4割以上を占め、「高価格」「説明不足」「強引」などの内容が多かった。全年代から相談が寄せられたが、平均契約金額は高齢になるほど高額となり、20歳代の10.9万円に対し、70歳代は21.1万円と約2倍、80歳以上は27万円と約2.6倍となった。
50歳代の女性は、トイレが詰まったのでインターネットで修理業者を検索。「980円~」との広告を見つけ依頼したところ、作業員から「ポンプ作業と便器の取り外し作業で4万円かかる」「詰まりを通す機械を使う作業に5万円かかる」などと言われ、途中でやめるわけにもいかず了承。結局980円どころか9万円以上かかってしまったという。
県相談調査課は「業者がポスティングしたマグネット広告やインターネット上の広告には24時間対応、基本料金1480円~などと表示されていることが多く、そのイメージで業者に依頼すると料金トラブルになりやすい。また、一旦業者を呼んでしまうと途中で断ることが難しくなるため、断り切れない高齢者層で契約金額が高額になりがちだ」と分析。「焦って依頼せず、知人や水道局、水道業者などに相談し、複数の業者から見積もりを取ってほしい」と呼びかけた。
また、水回りトラブルの応急処置が施せるよう、普段から▽元栓の位置を確認する▽詰まりを解消するトイレ用ラバーカップ(いわゆるスッポン)を用意しておく――ことも重要だとしている。