<米国>ゴマアレルギー対策に乗り出す食品大手 情報開示進む
- 2018/5/14
- 海外
食品政策を監視する米国消費者団体「公益科学センター(CSPI)」はこのほど、食品大手22社のうち14社がアレルギー物質として「ゴマ」を表示することを宣言したと発表した。残る8社は現行の表示を続ける意向で、CSPIは「消費者は潜在的なアレルギーリスクに依然としてさらされることになる」とコメントした。
これまでゴマは「スパイス」や「天然香料」として表示される場合があり、アレルギー患者を長年苦しめてきた。CSPIは2014年から表示の義務化を求める運動を展開。今回の調査結果を踏まえ、FDA(米食品医薬品局)に対し「食品企業の取り組みと現行の表示制度の間に生じたギャップを埋めるべきだ」として、改めて対応を求めた。
米国にはゴマアレルギー患者が30万人以上いるとされ、ゴマは「ビッグエイト(表示が必要な8つの成分=牛乳、卵、魚、甲殻類、ナッツ、ピーナッツ、小麦、大豆)」に次ぐ「9番目の成分」と呼ばれてきた。しばしば重い症状が出ることがあり、8成分よりも救急搬送された患者数が多いとの報告もあった。
食品大手の一部も対策に乗り出しており、ゼネラルミルズなどはウェブサイトにアレルギー対策ページを設置し、ゴマを明確にアレルギー成分として取り扱っていた。一方、シュワンズ・フードは一部商品にゴマを含む天然香料を使用しているが、アレルギーリストに表示をしていなかった。
(本紙「ニッポン消費者新聞」5月1日消費者月間号より大幅加筆し転載)