「緑色の南京錠」過信禁物、詐欺サイトの可能性 英国
- 2018/4/9
- 海外
ブラウザのアドレスバーに表示される「緑色の南京錠」(以下、鍵マーク)が英国でちょっとした物議を醸している。
バークレイズ銀行が詐欺被害を防ぐため、鍵マークの確認を呼びかけるテレビCMを放映。これに対し、広告規制機関のASAが「誤解を招く表現だ」との判断を示したからだ。近年、鍵マークを表示した詐欺サイトが横行するなどしていて、英国の消費者団体Which?は4月9日、「鍵マークはウェブサイトの信頼性を判断するためのツールの一つにすぎない。安全だと過信しないようにしてほしい」と呼びかけた。
昨年12月に放映された問題のCMは、おもちゃのロボットがウェブサイトのセキュリティについてアドバイスする内容。決済する前に鍵マークがあることを確認し、詐欺サイトに引っかからないよう注意を呼びかけていた。これに対し、ASAは視聴者から15件の苦情が寄せられたことを公表。今月4日に「鍵マークの確認だけではウェブサイトの安全性を保証しているとは言い難く、広告は消費者の誤解を招いた」と断定し、バークレイズ銀行にCMの放映中止と表示の修正を求めた。
Which?によると、鍵マークはSSL(Secure Sockets Layer)が正しくインストールされているブラウザ(Chromeやfirefoxなど)のアドレスバーに表示され、通信情報を暗号化していることを意味するもの。ウェブサイト自体の安全性を保証しているものではなく、詐欺業者が鍵マークを悪用するケースも増えているという。同団体は正規サイトかどうかを見分ける判断材料として、▽(翻訳サイトで英訳したような)不自然な文章になっていないか▽有名評価サイトのレビューで悪く書かれていないか--などもあわせて確認するよう呼びかけている。