世界消費者権利デー、全国消団連が記念講演会 伊東大臣も声明

国際消費者機構(CI)が提唱する世界的な記念日「世界消費者権利デー」(World Consumer Rights Day=WCRD)にあわせ、日本で様々な取り組みが行われた。記念日となる3月15日には全国消費者団体連絡会国際活動専門委員会が記念講演会を開催。前日の14日には伊東良孝消費者担当大臣がメッセージを寄せた。海外ではCIが今年のテーマ「持続可能なライフスタイルへの公正な移行」にそったイベントを展開。SNS上で「変革を遅らせれば遅らせるほど、様々な意味で世界の人々のコストが高くつく」などと指摘し、ステークホルダーに行動を呼びかけた。

全国消団連の記念講演会はオンラインで開かれ、各地から約40名が参加。経済学者の水野和夫さんが登壇し、経済成長と利潤追求を目指す近代社会の限界を示すともに、脱成長における経済のあり方を紹介。実質賃金の増加、富の公正な分配、労働時間の減少の3つの条件を実現することで、「持続可能なライフスタイルへの公正な移行」が可能となると解説した。

講演の最後には「近代社会はモノ・サービスを提供する供給者が重要視されていたが、近代社会ではない社会というのは消費者が主体。消費者の力を強めてほしい」と参加者らに呼びかけた。

また、メッセージを発信した伊東大臣はエシカル消費普及や食品ロス削減などについて消費者庁の取り組みを報告。「世界消費者権利デーが、全ての関係者が共に消費者を取り巻く課題を考える機会となることを願う」と期待を寄せた。

海外ではCIが10日~15日を権利デーウィークとして全体会議や分科会、講演会などを実施。食料、健康、エネルギー、プラスチック、ジェンダー、モビリティなどの課題について議論を深めた。

ヘレナ・ローランCI事務局長はSNSで「今回のテーマは消費者の権利に関連しているが、その根本にあるのが消費者の安全だ。地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)の9項目のうち7項目が限界を超えており、変革が必要だ」と指摘。「消費者の意識向上、手ごろな価格の実現、アクセスのしやすさといった課題を解決し、次世代の良好な成長を実現するには、まずは消費者の権利を尊重し、そして擁護し、消費者の声を意思決定に取り入れなければいけない」と呼びかけ、「消費者の権利は健全な経済の核心だ」と強調した。

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