米FDA、たばこのニコチン量制限を提案 中毒性ないレベルまで

米食品医薬品局(FDA)は1月15日、紙巻きたばことその他のたばこ製品の依存性を制限するための新しい規則を提案した。ニコチン含有量を中毒性のないレベルにまで減らし、喫煙関連の疾病予防につなげる狙い。FDAは「最終決定されれば、命を救うための大胆な措置を講じる世界初の国となる」としている。今後、パブリックコメントや専門委員会で意見を求める方針。

提案した制限値は「たばこ1グラム当たりニコチン濃度0.7ミリグラム」。現在流通しているたばこ製品の平均濃度よりも大幅に低い値になるという。対象とする製品はたばこ、紙巻きたばこ、手巻きたばこ、ほとんどの葉巻、パイプたばこなど。電子たばこやニコチンポーチ、水パイプたばこ、高級葉巻などは対象外とする。

FDAの推定によると、喫煙に関連した死亡者は毎年約50万人にのぼり、医療費や生産性の低下によって国に年間6000億ドル以上のコストが生じている。ロバート・カリフFDA長官は「今日の提案は若者の喫煙の可能性を低め、今いる喫煙者の多くが禁煙もしくは害のない製品に切り替えることが可能となる未来を描いている。この措置が最終決定されれば、多くの命が救われ、重篤な疾病や障害が劇的に減り、国家負担も節約できる。予防可能な死亡と疾病を大幅に減らすことは米国が取り組むべき立派な目標だ」として、規則案に同意するよう求めた。

パブリックコメントは1月16日~9月15日まで実施する。

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