国セン・山田昭典理事長 「知って欲しい情報」工夫凝らして発信🔒
- 2025/1/8
- くらし
新春特別インタビュー
◎デジタルツール活用、多様なチャンネルで情報提供
21世紀も四半となった。デジタル化は消費生活を一変させ、ひと昔前には考えられなかったAI(人工知能)の生活への浸透が常態化した。デジタル時代は従来以上にインターネット通販分野の消費者被害を急増させ、事業者の中には姿を見せずに契約を交わす悪質事業者も多くなった。スマホの画面には、ステルス広告、ダークパターン手法など、新手の勧誘・悪質例も目立つ。幅広く消費者問題が発生している中、国民生活センターはどう対応していくのか。同センター・山田昭典理事長に新年を迎えるにあたっての抱負・方針を尋ねた。山田理事長は、必要な人に必要な情報を届けることはデジタル時代の核心と位置づけ、SNS、公式ユーチューブチャンネルなど、独自ツールを活用し、消費者への情報提供チャンネルの多様化を推進する。消費生活センターの支援、消費者団体の支援、さらに、消費生活相談体制のDX化や越境消費者トラブル防止など国際化への対応も積極的に推進していく。それら事業のいっそうの取組へ向け、寄付金募集も呼びかけていくとしている。山田理事長の発言概要は次の通り。
◎デジタル社会への対応、情報発信、より積極化・具体化
デジタル時代には消費者への情報提供が何よりも重要です。「必要な人に必要な情報を提供する」、これは国民生活センターの大切な役割の一つです。
特に現代は、デジタルツールの高度化によってSNSなど情報発信ツールが多様化し、消費者にとって都合の良い情報、消費者自身の知りたい情報が簡単に目の前のスマホを通して入手できるという環境が創り出されています。AI(人工知能)の生活への浸透など、以前には予想すらできなかった環境激変の中にあって、当センターは、消費者に知って欲しい情報をどう消費者に伝えていくか、その点を重視した情報発信に取り組んでおります。その重要性を認識するだけでなく、実際に工夫を凝らして地道ながらも実践していく、その点を基本に据えた事業を展開していきたいと思います。当センターでは2024年度、情報提供において様々なツールの活用に取り組みました。特に、新聞やテレビなどの「既存メディア離れ」が指摘されている若い消費者に向けては、SNS、特にX(旧Twitter)での情報発信に力を入れるとともに、公式ユーチューブチャンネルにおいては、「見守り新鮮情報」のリーフレットをベースとしたショート動画の投稿を行うなどの工夫を行いました。
その一方で当センターが力を入れてきたのが高齢者への情報発信です。デジタルツールに慣れていない高齢者にどのように適切に情報を届けるか。そのためにまずは、高齢者の周りの人、見守る人に情報を届けるのが効果的ではないかと考えました。
一つの例が、2024年11月に公表した「海産物の購入を強引に勧める電話に注意!」という注意喚起情報です。断っているのに海産物を送り付けられたという悪質勧誘に対し……(以下続く)
(本紙「ニッポン消費者新聞」1月1日新年特集号より一部転載)
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