【米国】「翌日配送」のマスク、数週間届かず 購入者に返金へ

パンデミック時にオンライン販売業者SuperGoodDeals.comがマスクなどの個人用防護具を販売する際、「翌日配送」などと虚偽の宣伝をした問題で、米連邦取引委員会(FTC)は12月4日、同社が和解金を支払ったとして、被害者への返金手続きを開始した。4583人に総額11万ドル以上の小切手を送付する。受け取った小切手は90日以内に換金する必要がある。

FTCによると、同社は2020年3月以降、パンデミックで欠品状態となったマスクなどの個人用防護具を販売する際、「在庫あり」「本日入金すれば翌日配送」などと表示して注文を受け付けていたが、実際はマスクの在庫がなく、多くの取引において発送に数週間かかっていた。

これに対し、FTCは同年7月、ニューヨーク東部地区地方裁判所に提訴。約4年後の2024年3月、個人防護具の販売禁止や虚偽表示の禁止、和解金の支払いなどを盛り込んだ裁判所命令案に同社が合意し、今回の返金措置が実現した。

訴訟を起こした当時、FTC消費者保護局長は「新型コロナウイルス感染を心配する消費者を食い物にした行為で断じて看過できない。マスクを約束通りに配達せず、返金の申し出にも応じていない」などと同社を厳しく非難していた。パンデミック時の2020年4月~5月にFTCが受理した「新型コロナ」苦情の多くがオンラインショッピングに関連する事例。過去最多の3万4000件以上となり、半数を超す1万8000件以上が「商品が届かない」といった内容だった。商品別ではフェイスマスクが最も多く、以下、消毒液、トイレットペーパー、体温計、手袋などだった。

FTCは法違反が疑われる虚偽表示に対し、差し止めや返金などを求める訴訟手続きを展開している。2023年における被害者への返金措置は総額3億3000万ドルにおよぶ。

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