給湯器の点検商法トラブル過去最多 東京都・昨年度 高齢者被害

東京都消費生活総合センターがまとめた「令和5年度消費生活相談年報」によると、点検をきっかけとした給湯器交換のトラブルに関する相談件数が2023年度は390件と過去最多となり、前年度の10倍以上に激増していることがわかった。契約当事者のおよそ8割が60歳以上の高齢者で、「点検と言われても安易に信じないでほしい」と呼びかけている。

給湯器点検商法の相談件数「帰宅すると、ガス給湯器交換の契約書が置いてあった。同居の父に聞くと、ガス会社から『点検に伺う』という電話があった後、来訪があり、『給湯器が古くなっているから交換したほうがいい』と勧められて、約30万円の交換工事を契約したという。契約書を見ると、契約中のガス会社と関係のない別の会社だった。給湯器は故障もなく使えており交換の必要はない」(80歳代の父を持つ50歳代男性)などの事例が寄せられている。高齢者を狙い、身分を偽るなどして「早く交換した方がいい」と契約を迫る事業者がいるという。訪問販売の場合、契約書面受領後八日以内はクーリングオフが可能。センターは「高齢者の被害は表面化しにくい。周囲の気づきが重要だ」とし、すぐに相談するよう呼びかけている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」10月1日号より転載)

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