紅麹サプリ事件、食品衛生法で安全性確保を 松永和紀氏が講演🔒

◎大阪消団連主催の講演会で 「今回の制度改正では再発防げない」と指摘

食品安全委員会委員を務める科学ジャーナリストの松永和紀さんが9月21日、大阪市内で講演し、ジャーナリストの立場から紅麹サプリメント事件と機能性表示食品の制度改正の問題点について切り込んだ。松永さんは今回の事件を「未曾有の食中毒事件」とし、小林製薬のずさんな衛生管理を指摘。また、事件を受けた制度改正について「食品表示法に基づいた制度であり、同法で食品の安全性を規制するのは無理がある」と語り、再発は防げないとの考えを示した。講演の最後には事件を教訓に食品衛生法の抜本改正に取り組むよう参加者に呼びかけた。

松永和紀さん

ジャーナリストの立場から意見を語る松永和紀さん。紅麹サプリ事件を切り口に健康食品の表示や安全性など様々な問題に切り込んだ(写真はオンライン画面のもの)

この講演会は全大阪消費者団体連絡会(大阪消団連)が第32回総会記念講演として開いたもの。大阪の事業者が引き起こした重大な食中毒事件との問題意識のもと、テーマに選定した。会場とオンラインのハイブリット開催とし、オンラインでは全国から消費者団体など約90人が参加した。

講演の中で、松永さんは調査状況や事件の背景、被害の実態などを解説。この問題を「100人以上が亡くなっているかもしれない未曽有の食中毒事件」とし、全貌解明にはさらなる時間がかかると予測した。小林製薬については「一般食品の衛生管理のレベルとしては考えられないずさんさ。ハサップを上回る取り組みを行っている食品事業者もいる中……(以下続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」10月1日号より一部転載)

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