【米国】乳児用首浮き輪の取り締まり強化を議論 販売禁止も視野

入浴中の赤ちゃんの死亡事故が発生している「乳児用首浮き輪」を巡り、米国消費者製品安全委員会(CPSC)が取り締まりを強化する規則案を検討していることが10月7日、消費者団体コンシューマー・リポートの報告でわかった。CPSC委員の1人は「(こうしたデザインで)製品化すること自体、ひどいアイデアだ」として製品カテゴリーごと販売禁止にするよう求めているもようだ。

コンシューマー・リポートは相次ぐ事故を受け、保護者に乳児用首浮き輪を一切使用しないよう警告しており、規則案について「リスクを軽減する新規則が制定されれば、それはそれでよいことだが、最も安全で直接的な方法は完全に禁止することだ」と販売禁止に賛同している。

CPSCによると、首浮き輪は空気を入れて膨らませるタイプや硬いフォームで作られたタイプなどがあり、この数年間で約100万個が販売されたという。一方、浮き輪が十分に膨らんでいなかったり、水や石けんで滑りやすくなっていたりして、赤ちゃんが滑り落ちる事故が多発。過去5年間に少なくとも85人が溺れ、そのうち2人が浴槽で溺死していた。

10月4日の公聴会では、取り締まり強化に向けた規制案が検討され、CPSCは設計やテストなどに関する厳格な要件の設定、警告ラベルの義務化などを盛り込んだ規則案を提案。今後数週間で、正式に発行するか、パブリックコメントを実施するか、来年中に最終規則へと手続きを進めるか、などを決める予定だという。

公聴会に参加したCPSC委員の1人は「この製品カテゴリー自体、ひどいアイデアだ。今日、議論したアプローチに完全に賛成できるかどうか自信を持てない」とコメントし、全面禁止を議論するための非公式会合を要請したいと語ったという。

首浮き輪を巡っては、食品医薬品局(FDA)が2022年6月、乳児の水中療法に使用しないよう警告。同年11月にはCPSCが死亡事故に関連した特定の製品について、保護者に使用中止を警告するなどしていた。

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