PL法改正を提唱 欧州指令と比較し課題を報告 PL研究学会🔒
- 2024/10/8
- くらし
PL(製造物責任)関連制度や安全性問題の研究者・専門家などで構成するPL研究学会(大羽宏一会長)は9月19日、会場参加とオンラインとの併用で第9回大会を開き、被害者救済に向けデジタル時代に対応できる製造物責任(PL)法の見直しに向け、今後、積極的研究推進を図っていくことを明らかにした。
当日は、一橋大学名誉教授で全国消費生活相談員協会理事長の松本恒雄さんがEUの新製造物責任指令の内容と日本のPL法を比較しながら、今後の法改正の課題を報告。EU指令を参考に法対象とする製造物の定義を広げ、国境を超えるネット社会での責任主体の範囲を拡大することを優先的に検討すべきではないかと提案した。
大会ではその他に、米国、中国、韓国の食品安全強化の動きと日本への影響、台湾の生産物賠償責任保険の現状と課題などが、野村総合研究所の水谷禎志さんおよび長崎県立大学大学院生の康耀中さんから報告された。日本で急増する食品リコール事案への対応も急がれると指摘された。
◎3つの研究部会で課題と対応策の研究
PL研究学会は「製品の安全確保」を研究領域として「安全社会」の構築を目指し2014年に発足、15年に一般社団法人へと移行した。安全法律体系の「研究部会」や「製品リコール研究部会」「消費者対応研究部会」の3部会を設置。海外の安全施策をはじめ、国内のPL裁判状況など、幅広く研究成果を発表してきた。22年度からは食品の安全性問題も重視し、食品リコールの動向とその改善策なども研究射程に含め、消費生活の安全確保への検討範囲を拡大させている。
9回目となった9月19日の大会ではデジタル化、国際化を背景にしたEU(欧州連合)のPL関連制度の改正動向の報告を受け、日本での今後の法改正の方向性を検討した。開催あいさつした大羽宏一会長は「日本のPL法は公布以降30年を迎えたが……(以下続く)
(本紙10月1日号「コンシューマーワイド」欄より一部転載)
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