NY州が食料調達で先駆的法案、動物福祉や持続可能性などで選定

◎最低価格入札制度からの脱却目指す

米ニューヨーク州議会で6月に可決された食料調達に関する先進的な法案「グッドフードNY法」が注目を集めている。自治体が食料を調達する場合、原則「責任ある最低価格入札者」を選定することが義務付けられているが、この法案は持続可能性や労働者の福祉、動物福祉、地産地消など新たな価値観のもと調達先を選ぼうというもの。自治体は学校や病院、高齢者施設、刑務所などで毎日食事を提供しており、巨大な食料購買者という側面を持つ。非営利団体の公益科学センター(CSPI)は「画期的な法案は公共の食料調達を変革する並外れた可能性を持っている」とし、消費者に支持を呼びかけている。

グッドフードNY法は、食品調達者に人や動物、健康、幸福を優先する透明で公正な食品プログラムの採用を呼びかける運動「グッドフード調達プログラム」を土台にしたもの。州の食料調達方式を制限する一般地方自治法を改正し、「最良の価値」を優先した方式に置き換えることを目指している。価値観を共有する業者から食料を調達するために、支出額が最大10%増えることを認めている。

CSPIによると、例えばNY市は年間約2億2000万食を提供、バッファローの公立学校では年間1000万食以上を提供するなど巨大な購買力を誇る。CSPIは「今回の法案は単なる州レベルの政策にとどまらない。全国的な前例となり、ほかの州が同様の法律を可決し、価値観に基づく調達が当たり前となるための青写真になるだろう」と指摘する。法案は現在、キャシー・ホウクル知事の署名待ち。CSPIは署名活動を展開し、10月までに知事に届ける方針だ。

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