【米国】ハリス副大統領の食品不当値上げ規制、消費者団体が称賛

米大統領選挙に挑む民主党候補、カマラ・ハリス副大統領が食品の不当な値上げを規制する考えを示したことを受け、米国の消費者団体ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は8月23日、これを称賛する声明を出した。同団体は企業による不当な値上げを巡り、価格を据え置きながら内容量を減らす「シュリンクフレーション」(いわゆるステルス値上げ)の防止も必要だと訴えた。

1899年設立の老舗消費者団体NCLは「我々は食品市場の透明性と公平性を訴えて125年の歴史を持つ。ハリス氏の政策は選挙戦の策略であり、経済的にもナンセンスだとの批判があるが、企業が消費者をだまし、不当な価格を請求するあらゆる手法を我々はこれまで長く見てきた」と主張。緊急事態や災害時の不当な価格吊り上げについて、すでに37州で規制されていることをあげ、「食品は生活必需品だ。ハリス氏の政策はこれらの保護を拡大し、連邦取引委員会に不公正な価格戦略の防止を担わせることにある」と賛同する考えを示した。

また、不当な価格操作とともにシュリンクフレーション行為を非難し、企業の搾取から消費者を保護するためにシュリンクフレーション防止法が必要だと主張。ユニットプライス(単位価格)制度が19州とコロンビア特別区にしか導入されていないことや、買収案件が続く食料品業界の競争欠如も問題だとした。

国の統計データによると、現在、米国人の収入の11%が食品に充てられており、過去30年間で最高水準に達する。毎週の食料品代はパンデミック前よりも高騰しており、NCLは「なぜインフレ率と食品価格の上昇が一致しないのか、国レベルで研究を行う必要がある。企業は人よりも利益を優先し続けており、一つ明確なことは、連邦取引委員会と州司法長官に対し、企業に責任を負わせる権限を与えることが正しい方向への一歩だということだ」とハリス氏の考えにエールを送った。

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