【香港】スポーツシューズの品質トラブル発生 改善を要望

消費者相談を受け付ける香港消費者委員会は8月19日、スポーツシューズに関する消費者トラブルが発生しているとして、業界に改善を要望した。「色あせした」、「防水と表示されているのに水が染み込む」、「かかと部分のゴムが欠けた」などの事例が寄せられており、同委員会は「消費者が一定の機能性と耐久性を期待するのは当然のこと。品質に一貫性がなかったり、返品を拒否したりするなどアフターサービスが十分でなかった場合は紛争につながる」と指摘し、メーカーに厳格な品質管理と適切な苦情対応を求めている。

相談事例によると、ある消費者は、ブランドの正規販売店で750香港ドル(約1万4000円)のスポーツシューズを購入。一度履いただけで白い表面と靴ひもが青く染まってしまった。店に苦情を申し立てたところ、「色あせは自然な消耗によるもの」と説明され、返品や交換を拒否されたという。

別の消費者は、防水機能のあるスポーツシューズを1170香港ドル(約2万2000円)で購入。5回履いた後、靴に水が染み込んでいることに気づき、専門店に調査を依頼した。3か月後、店側は水の侵入を認め、同じモデルの新品と交換。しかし、2か月後に交換品で再び同じ問題が発生した。今回は店側が浸水を認めず、新たに見つかった靴内側のゴムトリムの剥がれについても、保証の対象外としてアフターフォローを拒否したという。委員会が仲裁に乗り出し、購入価格の80%を返金することで両者が合意した。

苦情相談は断続的に寄せられていて、委員会はスポーツシューズを取り扱う関連業界に品質管理、修理、返品対応の改善を求めるとともに、消費者に向けて購入前の入念な確認を呼びかけた。靴の寿命は素材、保管状況、着用頻度など様々な要因に左右されるとし、「長期間放置した靴は靴底が劣化する。あまり多くの靴を買いだめすることはお勧めできない」とアドバイスしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る