歯間ブラシ、曲がったら交換を 折れて飲み込むことも 都が調査

歯間ブラシを使用中に「先端のブラシが取れた」「折れた製品を飲み込んでしまった」などの事故が起きていることを受け、東京都が消費者アンケートを実施したところ、約半数の人が歯茎を傷付けるなど危険な経験をしていることがわかった。金属ワイヤー型の製品を対象とした安全性テストでは、斜め45度から挿入した際に一部の検体で破損が発生。都は「歯間ブラシは無理に挿入せず、金属部分が曲がったら交換してほしい」と注意を呼びかけている。

曲がった歯間ブラシ

無理に入れようとしてワイヤーが曲がってしまった歯間ブラシ。危害を防ぐためにすぐに交換を(東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課提供)

2013~23年にかけて事故情報データバンクシステムに寄せられた歯ブラシの情報は17件。「使用中に根元で折れ、ブラシ部分を飲み込んだ」、「使用中に歯と歯茎の間にブラシ部分が挟まり、取ろうとしたら柄の部分が折れた。ブラシ部分が取れず出血している」などの事故が発生しており、東京都が実態調査に乗り出した。

今年3月に実施した消費者アンケートでは、歯間ブラシを使用したことのある253人の約半数が危険な経験をしていることが判明。多い順に「歯茎を傷つけて出血した」67件、「折れて歯の間から抜けなくなった」39件、「折れてブラシ部分がなくなった」19件などとなった。「折れて飲み込んだ」という事例も2件あった。こうしたことになった理由として、「ワイヤータイプのブラシの金属部分を曲げて使ったから」が最も多く、以下、「推奨する使用期間を過ぎて使ったから」、「サイズが合わなかったから」の順だった。

そこでワイヤー部が金属製の歯間ブラシ5製品を対象に、使用中の破損を想定した安全性試験を行ったところ、垂直に挿入した場合は破損が見られなかったが、斜め45度で挿入した際に一部の検体で破損が発生した。都は「歯間ブラシは適切なサイズを選択し、垂直にゆっくりと挿入し、細かく前後に動かして使ってほしい」とアドバイス。奥歯に使用するときはプラスチックの部分から指で折り曲げて使い、金属部分が曲がってしまった場合はすぐに交換するよう呼びかけた。

(本紙「ニッポン消費者新聞」8月1日号より転載)

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