【英国】旅行保険の苦情、コロナ以降で最高 請求却下に不満
- 2024/7/17
- 海外
英国の金融オンブズマンサービス(FOS)に寄せられた2023年度(23年4月~24年3月)の旅行保険に関する苦情は前年比19%増の4466件となり、パンデミックの混乱時期(20年度)を除いた直近10年間で最高レベルに達したことがわかった。19年度は2510件だった。
苦情の大半は、保険金請求が却下されたことに不満を持つ消費者からのもの。金融行動監視機構(FCA)の2022年データによると、保険分野の中で旅行保険の請求承認率は最も低い分野の一つとなっていた。また、健康状態に関する要件が適切に開示されなかったために保険金請求が却下されたという苦情も増えていて、残りは海外での罹病を巡る緊急援助に関する苦情、フライトの遅延・欠航、荷物の紛失・盗難に関する苦情だった。
英国では昨年7月、新たに消費者義務規則が導入され、金融サービス企業は消費者の利益を最優先して行動することが求められていた。FOSのアビー・トーマス氏は「保険会社に不満を持つ人がこれほど増えていることは憂慮すべきことだ。保険会社は時間をかけて条件を説明し、人々を公平に扱い、全ての人に保険内容を理解してもらうことが非常に重要だ」と指摘。FOSのデータを分析した消費者団体Which?は「近年、消費者は旅行保険会社とのやりとりに強いストレスを感じていることが示されている」と言及している。