【米国】自動車内空気から難燃剤 時代遅れの防火基準は改正を

自動車内の空気から発がん性が指摘される難燃剤成分が検出されたという最新研究が報告されたことを受け、消費者団体コンシューマー・リポートを率いるマルタ・テラドCEOは7月4日、トップメッセージを発表し、車両の防火安全基準を直ちに改正するよう要請した。テラドCEOは「すでに安全な代替品が流通しているにもかかわらず、時代遅れの防火安全基準が何十年も更新されていない」と指摘している。

グリーンサイエンス政策研究所とデューク大学の共同研究によると、22ブランドの101台の車両の空気及びシートフォームから有害な難燃剤が検出され、発がん物質として健康影響評価が進められているTCIPPが99%の車両から検出された。自動車メーカーは1971年の連邦可燃性基準(FMVSS 302)を満たすため、シートフォームや内装部品にこれらの化学物質を使用しているという。

テラドCEOは「車両の難燃性を高めることは確かに重要だが、半世紀前の時代遅れの基準が消費者に別の形で悪影響を及ぼす可能性が示された」と指摘。「布張り家具などの可燃性基準では、有害な難燃剤の低減につながる別の防火試験がすでに採用されている」などと訴えた。

コンシューマー・リポートはインターネット上で請願署名キャンペーンを展開中。運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対し、より優れた可燃性基準の迅速な策定を求めている。7月12日現在、すでに3万2320筆の署名が寄せられている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 水
    ミツカン水の文化センターは第30回「水にかかわる生活意識調査」の結果を公開した。この調査は日常生活とc
  2. 柳沢信高参事官
    ◎消費者庁・柳沢参事官が直近のトラブル傾向を解説 活用呼びかけ 日本消費生活アドバイザー・コンサルc
  3. コイン
    米国の非営利団体パブリック・シチズンが発表した最新報告書によると、2024年選挙シーズンにおける企業c
  4. 防臭・消臭袋
    ◎におい通しにくい食パン空き袋の再利用も推奨 使用済み紙おむつやペットのふん、生ごみの処理などさまc
  5. 小林製薬紅麹サプリ
    ◎消費者団体は実効性を疑問視 「公表制度ないままでは事故は再発する」 小林製薬の紅麹サプリによる重c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る