【米国】自動車内空気から難燃剤 時代遅れの防火基準は改正を
- 2024/7/12
- 海外
自動車内の空気から発がん性が指摘される難燃剤成分が検出されたという最新研究が報告されたことを受け、消費者団体コンシューマー・リポートを率いるマルタ・テラドCEOは7月4日、トップメッセージを発表し、車両の防火安全基準を直ちに改正するよう要請した。テラドCEOは「すでに安全な代替品が流通しているにもかかわらず、時代遅れの防火安全基準が何十年も更新されていない」と指摘している。
グリーンサイエンス政策研究所とデューク大学の共同研究によると、22ブランドの101台の車両の空気及びシートフォームから有害な難燃剤が検出され、発がん物質として健康影響評価が進められているTCIPPが99%の車両から検出された。自動車メーカーは1971年の連邦可燃性基準(FMVSS 302)を満たすため、シートフォームや内装部品にこれらの化学物質を使用しているという。
テラドCEOは「車両の難燃性を高めることは確かに重要だが、半世紀前の時代遅れの基準が消費者に別の形で悪影響を及ぼす可能性が示された」と指摘。「布張り家具などの可燃性基準では、有害な難燃剤の低減につながる別の防火試験がすでに採用されている」などと訴えた。
コンシューマー・リポートはインターネット上で請願署名キャンペーンを展開中。運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対し、より優れた可燃性基準の迅速な策定を求めている。7月12日現在、すでに3万2320筆の署名が寄せられている。