全国生協、23年度は増収維持 物価高で利用数は低下

◎エシカル消費対応商品は9%増と伸長

日本生活協同組合連合会がまとめた全国117主要地域生協の2023年度供給高(売上高)は、前年比0.7%増の3兆123億円(推計値)と増収だった。柱の宅配事業の供給高は微増で、前年並みを維持。物価高騰の影響による利用単価の上昇が寄与したが、利用人数、利用点数がそれぞれ低下した。コープ商品事業では、注力するエシカル消費対応商品が前年比9%増と伸長した。

日本生協連

能登半島地震の支援活動を報告するとともに7月30日の「生協の日」をアピールする日本生協連の土屋敏夫会長(中央)、嶋田裕之専務(左)、藤井喜継専務(右)(6月18日、東京・渋谷にて)

土屋敏夫代表理事会長は「物価上昇は2年に渡って続いており、消費者、組合員の暮らしは厳しいものになっている」と言及。「すべての人が安心して暮らしていける社会にすることが喫緊の課題。生協は事業継続のための最大限の工夫を続けながら地域社会の助け合いやフードバンクなどの様々な活動を諸団体とともに進めていく」と語った。

宅配事業供給高は前年並みの2兆926億円(前年比0.1%増)。利用単価が3%上昇したものの利用人数が2.6%減、利用点数が3.8%減と低下した。藤井喜継代表理事事業担当専務は「増収増益だが(中身は)厳しいとみている」とし、現場の人手不足とコロナ下での自粛による営業力低下により利用者の獲得が伸びなかったと語った。一方、店舗事業供給高は3%増の9429億円。新規出店やリニューアルを進め来店客が1.1%増、利用単価も1.8%増となった。ただ、食料品全般の価格高騰により利用点数は2.4%減と低下した。

コープ商品事業では、エシカル消費対応商品の供給高が前年比9%増の2457億円と伸長。エコマーク認定商品が28%増、FSC認証マーク付き商品が14%増と伸びた。昨春スタートの食品ロス削減商品の認知も広がっているという。

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