プロテインチョコバー、たんぱく質量に差 表示確認を 静岡県

日本人の多くの年代で不足がちなたんぱく質。通常の食事で不足するたんぱく質を補うために、各メーカーからプロテインチョコバーなど気軽に食べられる様々な製品が販売されている。そこで、静岡県環境衛生科学研究所が市販の17製品の商品テストを実施。その結果、製品1本当たりのたんぱく質量に銘柄間で大きな違いがあることがわかった。同研究所は「商品の強調表示だけでなく、栄養成分表示を確認することで、目的にあった製品を選ぶことができる」と呼びかけている。

調査によると、17製品の購入価格は105~756円と銘柄によって大きな違いがあった。すべて保健機能食品に該当しない一般食品で、一括表示内の名称は「チョコレート菓子」が7銘柄、「栄養調整食品(たんぱく含有食品)」が4銘柄、「栄養調整食品」が4銘柄、「準チョコレート」が1銘柄、「準チョコレート菓子」が1銘柄だった。

たんぱく質の表示値は製品1本当たり8.4~30グラム。製品のタイプ別ではミルクタイプが平均14グラム、ビタータイプが平均16グラム、重量大タイプが平均25グラム。調査対象はすべての銘柄で「たんぱく質豊富」などの栄養強調表示が可能な値だったが、実際に高い旨の表示のある製品は8銘柄だった。

カロリーは製品1本当たり172~332キロカロリー。脂質は4.3~17グラム、炭水化物は8.4~30グラムだった。炭水化物が他の銘柄と比べて大きな値だった2銘柄は任意で表示された食物繊維量がそれぞれ1.2グラム、0.6グラムだったことから、炭水化物のほとんどが糖質であることがわかった。

日本人の食事摂取基準(2020年版)から換算した1日当たりのたんぱく質の目標量は30~49歳の男性の場合、身体活動レベルⅠ(低い)が75~115グラム、Ⅱ(ふつう)が88~135グラム、Ⅲ(高い)が99~153グラム。同じく女性の場合、Ⅰが57~88グラム、Ⅱが67~103グラム、Ⅲが76~118グラム。多くの年代で目標値に達しておらず、積極的に摂取すべき栄養素とされる。同研究所は「自分に必要なエネルギーやたんぱく質等の栄養素の量を知り、普段の食事で栄養素を十分に摂取できると良い」としている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」6月1日号より転載)

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