【欧州】価格維持目的に販売地域を制限 モンデリーズに巨額罰金

欧州委員会は5月23日、米食品大手モンデリーズ・インターナショナルがEU競争規則に違反し、チョコレートやビスケット、コーヒー製品の域内における国境を越えた取引を妨げたとして、3億3750万ユーロ(約570億円)の罰金を科したと発表した。これを受け、欧州各国の消費者団体で組織するBEUCは「消費者を保護するための欧州委員会の措置を強く歓迎する」との声明を出した。

委員会によると、同社は2006年から2020年にかけて、卸売り業者や販売代理店に対し、取引する地域や顧客を制限したり、事前の許可なく他のEU諸国の顧客と取引しないよう求めたりしていた。単一市場のEU域内において、より安い価格で調達することを妨げる狙いがあった模様。委員会は「違法行為により、モンデリーズは自社製品の価格を高く設定し続けることが可能となり、最終的にはEUの消費者に損害を与えた」と指摘する。

BEUCのモニク・ゴイエンス事務局長は「モンデリーズの違法行為によって、一部の国の消費者は他国と比べて高い値段で製品を買わされていた。EU市場で莫大な利益を上げておきながら、価格を吊り上げるために意図的に貿易障壁を作り、消費者が(単一市場の)恩恵を享受できないというのは許されることではない」とコメント。声明文のタイトルを「私のコーヒーブレイクに手を出すな」とし、怒りをあらわにしている。

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