昨年の食中毒、4年ぶり1千件超 飲食店で増加 アニサキス減少

厚生労働省のまとめによると、2023年の食中毒発生件数は前年比59件増の1021件で、19年(1061件)以来、4年ぶりに1000件を超えた。患者数は4947人増の1万1803人で、500人以上の患者が出た事例が2件あったほか、4人が亡くなった。病因物質別ではアニサキスが432件と全体の42%を占めたが、過去最多だった前年から134件減少した。

患者数500人以上の事例では、石川県の飲食店で昨年8月、流しそうめんなどに用いられた湧き水を原因としたカンピロバクター食中毒が発生し、892人の患者が出た。昨年9月には、岩手県八戸市の駅弁事業者が販売した弁当により554人の患者が出る食中毒が発生。弁当からブドウ球菌とセレウス菌が検出された。

施設別では飲食店が全体の47%にあたる489件となり、前年比109件増加した。次いで、家庭112件(18件減)、販売店62件(25件減)などの順。病因物質別ではアニサキスが432件(134件減)、カンピロバクターが211件(26件増)、ノロウイルスが163件(100件増)などと続いた。

死者が出た4件の事例のうち1件は猛毒のキノコ、ドクツルタケを食べたことが原因と推定されている。

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