【米国】EV充電器設置店舗わずか7% 小売りチェーンを調査
- 2024/3/8
- 海外
◎イケアは台数少ないもののほぼ全店に設置
電気自動車(EV)の普及拡大のカギを握るEV充電器の設置状況について、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは3月6日、小売り大手5社を対象とした初の調査結果を公表した。EV充電器を設置している店舗の割合は、イケアがほぼ100%だったものの、店舗数の多いコストコなど4社がいずれも10%未満となり、4社平均で7.3%にとどまった。米政府は大手小売店の駐車場を重要な充電スポットと位置付けており、同団体は「EV充電インフラの構築において、(広大な駐車場を擁する)大手小売店は主要なプレイヤーになりうる可能性があり、またそうなるべきだ」と指摘している。
調査結果によると、5社のうちイケア(約50店舗)はほぼ全店にEV充電器を設置している唯一のチェーンだった。ただ、設置台数は各店舗2~5台と少なく、1400台を収容する広大な駐車場を持つニューヨーク州ブルックリンの店舗でも充電器がわずか4台しか設置されていなかった。
一方、コストコ(約600店)、ターゲット(約1960店)、ウォルマート/サムズクラブ(約5200店)の店舗設置割合はそれぞれ10%未満、会員制倉庫型店舗を展開するビージェイズ・ホールセール・クラブ(約240店)は1%未満と低く、4社合計約8000店舗のうち充電器が設置されていたのは約600店(7.3%)だった。設置台数はターゲットが6~10台で、残る3社は2~5台だった。
充電スポットネットワーク企業の調査によると、車を充電中、買い物客の店舗滞在時間や購入機会が増加することが分かっている。コンシューマー・リポートは「駐車場に充電器を設置することが良いビジネスにつながる可能性があることを示す報告が増えていることを考えると、大手小売りの充電器の少なさに少々驚かされた」とコメントしている。
バイデン政権は2030年までに新車販売の半分をEVにする方針。目標を達成するには125万台のEV充電器が必要とされ、政府モデルでは5台に1台が小売店の駐車場に設置されることを見込んでいる。