福島県産食品購入は「応援」がトップ、基準値「不安」は2割
- 2018/3/8
- 食品
消費者庁は3月7日、「消費者の理解増進を図る風評被害対策」の一環として、被災県と大消費県11都府県の消費者アンケート調査に取り組んでいるが、その第11回目の調査結果を公表した。放射性物質を理由に福島県産食品の購入をためらう消費者はこれまでの調査結果の中で一番低い12.7%となった。今回は、全国47都道府県に拡大させた別のアンケート調査も実施し、福島県産食品の購入理由に「生産者の応援」をあげた消費者が半数近くいたことがわかった。
消費者庁によると、今回のアンケート調査は従来から継続してきた「風評被害に関する消費者意識の実態調査」としての「食品中の放射性物質等に関する意識調査」と、同アンケート結果では確認しきれない消費者意識を把握するための「放射性物質をテーマとした食品安全に関するインターネット意識調査」の2種類。前者は被災4件を含む大消費県11都府県の消費者約5176人が対象。後者は47都道府県の消費者7050人に対象範囲を拡大させたもの。
調査では、放射性物質を意識して福島県産食品の購入をためらう消費者の割合が12.7%と過去最少値を示し、「放射性物質に対する拒否感は薄らぐ傾向が継続している」との結果となった。
初めて実施した全都道府県の消費者対象のアンケ―ト調査では、福島県産食品4品目(野菜・果物・コメ・牛肉・魚介類」のうち、少なくとも1品目について「購入している」人は18.1%。4品目すべてについて「購入していない」人は18.5%いることがわかった。
「購入している」理由としては「福島県や福島県の生産者を応援したいから」「おいしいから」「安全性を理解しているから」という回答がそれぞれ、40.9%、38.3%、27.3%と上位を占めた。
それに対し、「福島県産の食品を購入しない理由」としては、「特に理由はない」が42.5%でトップ。次いで、「日常生活の範囲で売られていないから」が33.2%と続いた。「放射性物質が不安だから」は13.9%だった。
今回の全国対象の新しい調査では食品中の放射性物質のリスク管理についても尋ねた。基準値未満の食品に不安を感じる人が約2割いた。一方、従来の11都府県対象の調査では、「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」と回答している人は4割。「基準値をもっと厳しくするべきだ」との回答は1割強だった。
これら調査結果を踏まえ消費者庁は、「引き続きリスクコミュニケーションを推進し、伝達すべき情報や手法の精査に取り組む」としている。また、「食品と放射能Q&A」の冊子を改定し、英語・中国語・韓国語などの「外国語版」も作成する予定。