【米国】ダークパターンで解約を妨害 プロバイダが1億ドル返金

米連邦取引委員会(FTC)は10月30日、インターネット電話サービスプロバイダ大手のVonage(本社・ニュージャージー州)がおよそ1億ドル(約150億円)の返金手続きを開始したと発表した。対象となる38万9106人に小切手を郵送する。FTCによると、同社はキャンセルを妨害する違法なダークパターンを用いたほか、キャンセルを受け付けた後も料金を請求し続けたという。

昨年11月にFTCと同社との和解が成立。裁判所命令に基づき、同社に対し、損害を被った消費者への総額1億ドルの返金▽解約手続きの簡素化▽ダークパターンの使用停止▽サブスクリプションプランであることの明確な表示――を求めた。

同社は通信機器大手エリクソンの子会社で、インターネット電話サービス(VoIP)の大手。FTCによると、同社は無料トライアルからはじまるサブスクリプションプランを提供していたが、サインアップはネットや電話など複数のルートから簡単にできるようにしていたにもかかわらず、解約手続きは著しく困難な仕組みを採用。電話のみの受け付けとしたほか、表示にない高額な早期解約料の支払いを要求して解約しないよう誘導していた。また、カスタマーサービスの電話番号をわかりにくく表示する▽つながりにくくする▽約束した折り返しの電話をしない――などの行為をして消費者に損害を与えた。そのほか、キャンセル後も請求を続けた上、苦情が寄せられた際も無断請求した額の一部しか返金しなかったという。

およそ39万人にのぼる被害者のほとんどが消費者もしくは中小企業。個人アカウントは月額5~50ドルの料金だったが、ビジネスアカウントでは月数千ドルになる場合もあったという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る