新年に寄せて
2020-1-6
株式会社日本消費者新聞社
代表取締役主幹 岩下道治
新年明けましておめでとうございます。
新しい元号、二年目の初春――。皆様方におかれまして穏やかな新年をお迎えのことと存じます。新年にあたり謹んでご挨拶申し上げます。
昨年は大きな変化の年でありました。平成から令和へと移り行く時代への期待が待望された年でもあったように思われます。
しかし現実は予想だにできなかった異常気象、次から次に日本列島は災禍の唯中に苛なまれました。
こうした中スペインで開かれた「COP25」。各国の結束の綻びが露わになるなど「パリ協定」は先進国の足並みが乱れ難題山積の波乱含みの船出となりました。スウェーデン環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)の「今こそ行動する時なのに!」。この一言が耳に残ります。
混迷が続く世界、その中で日本がそして私達がどう行動すればいいのか――。羅針盤とも云うべき方向性が問われる、そんな年になりそうです。こうした状況の中、今年の消費者分野での動静について幾つか捉えてみたいと思います。
まず注目したいのは昨年7月消費者庁の大幅人事異動が挙げられましょう。現在の9課のうち5課の課長が異動。長官・次長・審議官など新旧交代含め消費庁発足以来の異動となりました。複雑な消費者問題を抱えているだけに消費者行政の有り様が問われそうです。
次に国民生活センターでありますが、同センターでは消費者相談事例が年間100万件を突破、その対応にパイオネット第5次刷新が進展。新しいパイオネットによるAI(人工知能)活用が本格化します。全域的に拡がる消費者被害、その救済に一石を投じることができるか外部から熱い目が注がれます。
ところで今年の消費者問題がどう展開するのか! この分野での消費者行政については各省庁間におきまして年頭所感で詳報しました。参照願いたく存じます。
さて次に「消費者安全確保地域協議会」について一言触れておきたいと思います。この制度は滋賀県野洲市で実績をあげ全国の地方自治体に制度の設置が拡がっております。消費者の見守り活動を推進する運動として人口5万人以上の全市町に設置の動きが出ています。いわゆる悪質業者が悪用しているカモリストを消費者庁から自治体に提供、多発する地域の消費者被害の防止に役立つものとしてこの制度が注目されてきました。今後の進展を捉えて行きたいと思います。
令和二年、世界経済は同時減速が今年も続くとし、不透明な不確実性の波が押し寄せています。消費者関連分野におきましても幾多の諸問題が山積しています。こうした中、今年の新年特集号が未来への安心・安全な社会構築に寄与することを願い編纂に努めて参りました。
本年も宜しくお願い申し上げます。
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