【豪州】住宅用太陽光65万台が点検業者不在 相次ぐ破綻で

豪州の消費者擁護団体CALC(Consumer Action Law Centre)は4月3日、一般住宅用の太陽光発電を巡る消費者保護策が遅れているとして、ビクトリア州政府に対し、規制の強化を要求した。事業者の破綻や悪質勧誘の横行が相次ぎ、被害が深刻化しているという。

同国では180万台(2017年時点)もの住宅用太陽光が普及しているが、販売・設置事業者の相次ぐ破綻により多くの「孤児」(点検・管理業者が見つからない設備)が発生している。CALCの報告によると、2011年3月から今年1月末までに690社が倒産もしくは営業停止し、推定で65万台の太陽光が孤児状態にある。ある業界関係者は、4~6週間に10社以上のペースで廃業リストに追加していると打ち明けた。

また、「儲かる」とあおって勧誘したり、契約するまでしつこく居座る訪問販売などが横行。設置の不備や不公正な契約なども多数報告されている。業界には自主規制があるものの、パネル製造販売、設置、配電、電気小売りなど関係事業者が複雑に入り組み、監視が行き届かない状況。CALCは「参入・撤退するサプライヤー、州や政府による太陽光普及刺激策、複雑な契約内容などによって被害が広がる構造になっている」と指摘する。

太陽光市場は拡大が続く見通しで、20年以内に同国内の発電量の45%を占めると推計される。同団体は「消費者トラブルが頻発する中で、自主規制以外に消費者保護策が打ち出されたことはなかった」と指摘し、認可制の導入や被害補償基金の設立などの法規制を要求した。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る